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【し~なチャン便り 第68話】シン・マタギスナイパーズ~秋田のデジタルシニア 次の進化へ①

まずはご報告です。

日本ケーブルテレビ連盟の第49回日本ケーブルテレビ大賞 番組アワードの贈賞式が9月7日、東京都港区のザ・グランドホールで行われ、秋田ケーブルテレビ制作のドキュメンタリー「マタギスナイパーズ!~秋田のデジタルシニアは電気煙幕の夢を見る~」が奨励賞をいただきました。応援いただき、本当にありがとうございました。今後、全国のケーブルテレビネットワークで配信されるはずです。

栄えある賞の受賞ということで、(すみません、気持ちが高ぶったまま…)今回のテーマは「シン・マタギスナイパーズ~秋田のデジタルシニア 次の進化へ」。

※映画監督の庵野秀明さんのファンです。「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」など一連の「シン」シリーズにはまった人間です。前回コラムでも、この言葉「シン」をタイトルに使ってしまいましたが、つい今回もやっちゃいました。

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まずは「マタギスナイパーズ」の説明から。

マタギスナイパーズは日本初のシニアeスポーツチームです。
eスポーツというのは「コンピューターゲームを競技として行うスポーツのこと」。若い世代だけでなく、最近はシニア層にも人気があります。

マタギスナイパーズは平均67歳。秋田県出身の方々が集まっており、現在16人。彼らが挑戦しているのは「FPS」(※”First Person Shooter”の略)という一人称視点のシューティングゲームです。キーボードとマウスで世界中のプレイヤーと戦う、「ガチ」のゲーマーを目指す集団なんです。

マタギスナイパーズは2021年9月に発足しました。秋田市の「株式会社エスツー」が公募したものです。「『マタギ』という名前は、秋田県に伝わる狩人たちの文化から取りました。『孫にも一目置かれる存在』を目指しています」と同社。高齢者がプロを目指すという挑戦は、少々…「大風呂敷」のようにも聞こえますが…確かに世界的にも珍しいと思います。実際、海外を含む多くのメディアに取り上げられてきました。

結成して間もなく、2022年9月には千葉・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2022」でプロと対戦する機会がありました。「VALORANT」というFPSのゲームです。

IT企業の所属プロ・poemさんと戦いました。本来は5人対5人のゲームですが、今回は「プロ1人対マタギスナイパーズ5人」。変則ルールでしたから、「もしかしたら」という期待も。でも、結局、いいところまでいったのですが、最後はプロのテクニックに圧倒されました。

私も取材で幕張メッセに同行しましたが、poemさんは「途中からやばいと思い、もうガチでやりました」と話してくれました。お世辞でしょうけど、うれしかったですね。

今年2023年3月には「内閣官房主催 冬のDigi田甲子園」に、なんと秋田県代表として選ばれました。「Digi田甲子園」は、デジタルの活用によって地域の課題を解決した事例を表彰する制度です。応募総数172件の中から、インターネット投票で9位になりました。大企業のプロジェクトぞろいの中で、多くの票を集めたことは誇りです。

eスポーツでは年齢や性別や国籍など関係なく、ゲームを通じてコミュニケーションができます。メンバーは、eスポーツに取り組むことで、「デジタル」が身近なものになり、ついにはIТ資格である「ドットコムマスター ベーシック」で8人合格が合格するレベルになりました。秋田の普通の「シニア」がeスポーツによって「デジタルシニア」に第一の進化を遂げたんです。「Digi田甲子園」ではこうした取り組みが認められてノミネートされた、ということでした。

eスポーツ、特にFPSのプロの寿命は短く、20代でもうベテランといわれ、多くは「引退」ということになるそうです。ただ、東京ゲームショウなどで、「マタギスナイパーズ」の存在が知られてくると、「あれ、だったら俺たちだって、もう少し長くできるかも…」というプロが出てきたとか。

かつてマタギスナイパーズが描いた目標は、自分たちが呼びかけて本格的なFPSの主催大会を開き、「若者チームと戦うこと」。2年前はかなり険しい壁かな、と思われていた目標ですが…それが実現することになりました。

それは2023年9月9日、「マタギスナイパーズ カップ」!!

全国各地から集う(もちろんネット上ですが…)さまざまな世代が向かい合う「マタギスナイパーズ」記念すべき初の主催FPS大会になります。

この続き、「第二の進化」を遂げつつあるマタギスナイパーズの活躍ぶり…次回のコラムでさらにフカボリします。