株式会社ALL-A

【し~なチャン便り 第46話】11月29日 「スタジオ★アルヴェ」オープン~内容一新、こうご期待!!

「『横文字』は使うなよ、日本語で説明しろ」。
駆け出しの新聞記者時代。記事を書いているときに、先輩からそう言われたことがあります。

「横文字」。もう、死語なのかもしれませんね。辞書によれば「横に書き綴る文字。外来語のこと」。

新聞記事は縦書きですから、横文字、例えば「アルファベット」が混じると違和感があることは確か。ただ、「外来語」が新しい日本語として次々に認知されていく中で、「無茶なことをいう先輩だ」とも思ったものです。

さて、それから四半世紀。ますます日本語での説明が難しい横文字、アルファベットの略語が増えています。

例えば、新聞でもすっかりおなじみになったIT。「Information Technology」、直訳では「情報技術」でしょうか。この言葉が出始めのころ、新聞記事では「コンピュータとネットワークを利用した技術の総称」などと詳細な説明を入れていました。でも、それももう消えてしまいました。IТ系の人、IТ教育、IТ業界…など、誰もが「IT」を当たり前のように口にする、新聞でも「説明する必要のない」言葉になりました。

ただ、ようやく「IТ」という横文字に慣れたな、と思っていたら、今度は「ICТ」という言葉が出てきました。「これは何?」…

「ICTとは『通信技術を活用したコミュニケーションやサービスなどの総称』です。Information and Communication Technology、Cつまり『コミュニケーション』の重要性が強調されたものです」。

そう解説してくれたのは県デジタル政策推進課の青柳格郎さん。

おっと…

大切な情報をお伝えするのが前後してしまいました。

秋田拠点センター「アルヴェ」(秋田市東通)1階に11月29日、市街地の情報を発信する拠点「スタジオ★アルヴェ」がオープン。「し~なチャン」も内容を一新し、これから、この新しいスタジオで生放送することになりました。そして新「し~なチャン」の記念すべき初回のゲストが青柳さん、というわけです。

今回は、スタジオに隣接するきらめき広場で開かれた県など主催のイベント「秋田ICТフェア2021」を紹介する内容。フェアのテーマは「秋田×デジタル=夢ある未来の秋田創造!」。力強いテーマでしょ。

「あまり難しく考えないでください。インターネットでのやり取り、デジタルでのキャッシュレス決済、さらにはSNSを使っての情報発信、さらにはリモートで遠くの人とつながる━これまで皆さんがやってきたことです。人と人をつなぐ、生活に密着したデジタル技術が『ICT』ということなんです」(青柳さん)

なるほど。このコロナ禍で、確かに私たちは「デジタル」の大切さを再認識しました。もし、デジタルがなかったら、コミュニケーションが途絶えていたかもしれません。確かにデジタルは私たちの生活に密着した、身近な存在になってきました。

ICTフェアでは、県内外のIT関連企業や大学、自治体など約30の団体が出展。それぞれが自慢の「先端IТ技術、サービス」を紹介しました。小型ドローン「トイドローン」やスマートグラスを使う遠隔作業の体験、自転車に乗車中の「ながらスマホ」の危険性の疑似体験など体験型ブースも。私もいろいろ体験しましたが、中でも「リアルに再現された『渋谷のまちなか散策』」コーナーは楽しかったなぁ。

今のVR(Virtual Realityの略。仮想現実のこと。※すみません、また横文字で…)の世界ってすごいですね。これができるんなら、もう東京に行かなくてもいい、なんて思ってしまいました。テーマに掲げた「秋田×デジタル=夢ある未来の秋田創造!」の通り、中央と地方の間にあった「空間の壁、時間の壁」が「デジタルの進化」によってどんどん低くなっているように感じます。

アップルの創始者、スティーブ・ジョブズの言葉を思い起こしました。

「大人は『これは何?』と尋ねる、でも少年は『これで何ができるの?』と尋ねる」。

自分のことに当てはめて考えてみました。確かに、最近は未知なるものに出合ったとき、まず抱くのは警戒心。そして身を引いたままで「これは何?」、そこで終わってしまいそうです。

でも、若い世代、特に子どもたちは、きっと目をキラキラさせながら新しいものに触れ、使いこなしていくんでしょうね。「これで何ができるの?」が彼らの大切な要素。新しいもの、違う価値観に対して理解を示し、自分もその価値観を実際に体験する━そんな積極性が『若さ』というものなのかもしれません。

今後は「これは何?」は禁句、そう自らに言い聞かせていきたいと思います。

ただ…

一方で「横文字ではなく、日本語で説明して」。そんなことを考えてしまう自分もいます。

あれっ、四半世紀前の先輩と同じことを言ってる…

※新しい「し~なチャン」、今後もよろしくお願いします。(下写真は「スタジオ★アルヴェ」)