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【し~なチャン便り 第16話】4月22日 シニアのためのビジネスマナー

「アイスブレイク(ice break)」。直訳すれば「氷を解かす」という意味ですが、コミュニケーションの現場では「初対面の人が出会う時、その緊張をときほぐす方法」という意味で使われます。相手との見えない『バリア』、参加者の不安や緊張を「硬い氷」に例えているんです。そして、「アイスブレイク」でポイントとなるのが「挨拶(あいさつ)」です。

「『挨』という漢字は『心を開く』、『拶』は『近づく』という意味があります。『心を開いて、人の心に近づいていく』こと。人間関係の第一歩は挨拶からと言われています」

そう教えてくれたのは、ビジネスマナー講師歴30年、「株式会社ビィ・ウィズ」取締役の萩原幸子さん=秋田市。

萩原さんによれば、お辞儀には角度がある、とのこと。
「お辞儀の角度は主に15度、30度、45度の3つに分けられます。15度は会釈、人とすれ違うときや、人の前を通るときによく使われるお辞儀。ビジネスで一番多く使われるのは、体を30度くらい下げるお辞儀です。取引先の訪問時や、来客の送迎時、接客時などに使われます」(萩原さん)

「45度」は最も丁寧なお辞儀。例えば、謝罪や感謝を伝えるときなど、改まった場で行います。大事な取引先に挨拶する場合も、この形。さすが45度にもなると、姿勢を維持するのはなかなかキツイです(私はお腹が出ているせいかも…)。

「ペコペコお辞儀」はNG。所定の角度まできちんと腰を曲げた後、少し静止し、ゆっくり上体を起こす形が正解です。

萩原さんは、東京都の大手人材派遣会社に入社後、専任面接官、ビジネスマナーインストラクターなどとしてマナー研修、就業中のフォロー研修、全国のクライアントの社員研修を担当。退社後はフリーの研修講師として活動し、3年前に秋田市の「株式会社ビィ・ウィズ」へ。

社名の「ビィ・ウィズ(Be with)」って、どういう意味か、気になります。「ご一緒に」とは━

「私たちは『相手に対する共感力、敬意』と考えています。コミュニケーションの土台となり、大切なことです。これがあってこそ、相手の話を真摯に聞くことができるし、話が始まる。ビジネスマナーとは相手を思いやる心を形にすること。心がないと相手には何も伝わらない、と思うんです」

(し~なチャン YouTube)

ビジネスマナーの講習をしていて、シニアからよく相談を受けるのは部下の指導、つまり「怒り方 叱り方」について、だといいます。確かに…みんな悩んでます。でも、そもそも「怒る」と「叱る」ってどう違うんですか━

「怒るのは『自分のため』、叱るのは『相手のため』。怒りは、相手が自分の言う通りに動いてくれない、自分に悪い影響を与えた、ということに腹を立て、相手にその感情をぶつけるという行為です。そこには自分の不愉快さ、不満を発散させたいという感情しかない。これは避けたいですね」

あっ、そうか。「部下への指導」をするつもりで、実は「感情をぶつけた」だけなのか…過去を振り返って反省です。

「一方、『叱る』というのは、例えばお母さんが子供に対するようなもの。間違った行動や望ましくない行動に対して、現状の問題点や改善点を考え、今後の成長のために心のこもった注意、アドバイスをすることです。相手が成長するきっかけをつくり、過ちを繰り返さないのが大きな目的です」

部下を育てるためには「怒る」のではなく、部下のことを考えて上手に「叱る」ことがポイント。そのためには普段から部下との会話時間を増やすなど、いい関係を築いておくのが大切なんだそうです。でも、「お母さん」になれるかなぁ。

「なれますよ。叱った後は励ましたり褒めたりして相手の感情をプラスにしてあげたい。『期待しているから』とフォローを入れて相手のモチベーション維持を図るのも大切です」

首都圏の雑誌メディアなどの調査で、「秋田の人は他県の人に比べて『幸福度』が低い」という結果が出たとか。全国を舞台に活躍し、秋田に戻ってきた萩原さんにズバリ聞いてみました。「秋田の人ってどうですか、なぜ幸福度が低いんでしょう」━

「いいものをたくさん持っているのに、十分に生かせていない。自己肯定感が低いような気がします。もっと胸を張っていきたいですね。皆さんのコミュニケーション能力とマナーの向上に役立ち、仕事や人生で成功する一助になれば」

自らを振り返ってみれば、「ありのままの自分を肯定する」ことが苦手だったかも。ちょっと自信を持とうかな、「自己肯定感」か。いい言葉です。私の「幸福度」も昨日より高くなりそうです。