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【し~なチャン便り 第13話】4月1日 エイジフレンドリーシティって

いわゆる「横文字」、カタカナ語で恐縮ですが、皆さんは「エイジフレンドリーシティ」という言葉を聞いたことはありませんか。日本語に訳せば「シニアにやさしい街」。秋田市が官民一緒に進めている街づくりのことです。

「エイジフレンドリーシティ」は、世界的な高齢化を背景に、高齢者に優しい地域社会を目指そうとWHO(世界保健機関)が2007年に提唱。秋田市は2011年に国内で初めて世界37都市が参加する「エイジフレンドリーシティー・グローバルネットワーク」に参加しました。

現在、ネットワークは拡大して、秋田市を含む世界中の都市・地域(44か国、1114の都市・コミュニティ:WHOホームページより)が参加している、とのことです。

こうした中で2019年、このネットワーク参加都市の中から、先進的な取り組みを行う11都市・地域のうちの一つとして、秋田市がWHOから選出されたんです。ご存じでした?

※秋田市以外に選出された都市・地域を紹介しましょう。
マンチェスター市(イギリス)、バスク地方(スペイン)、ディジョン市(フランス)、ブリュッセル市(ベルギー)、オタワ市(カナダ)、ポートランド市(アメリカ)、グアダラハラ市(メキシコ)、ロンコチェ市(チリ)、香港特別行政区(中国)、メルヴィル市(オーストラリア)

そうそうたる、というか、きら星のような、というか。こうした都市のひとつとして秋田市が選ばれた、なんだか誇らしくなります。ただ、その背景には「高齢化社会」という、避けては通れない大きな問題があるんです。

令和2年現在、秋田県は県人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は37・9%(県データより)となり、過去最高を更新しました。20年後には高齢化率が50%を超え、シニアが県人口の半数以上になるという予測も。確かに秋田県は「高齢」先進県です。だからこそ秋田市が目指す「シニアに優しい街づくり」、その取り組みが県外、いや世界中から注目されている、ともいえそうです。

エイジフレンドリーシティを進める秋田市長寿福祉課・担当課長、山口佐知子さんをゲストにお呼びし、お話を聞きました━秋田市のどんな取り組みが評価されたんでしょうか。

「シニアの方々の外出・社会参加を促進する高齢者コインバス事業や、民間企業によるシニアにやさしい取り組みを推進するエイジフレンドリーパートナー制度、多世代による市民活動の拠点、さらに防災センターとしての機能も併せ持つ市庁舎などが、先進事例として評価された、と考えています」(山口さん)

                   (youtubeより)

山口さんによれば、秋田市が目指す街づくりの「基本理念」は「高齢になっても地域社会で活動、活躍することができ、イキイキと過ごすことができる社会」とのことです。なるほど、なるほど。

私も、あくまで個人としての理想ですが、「シニアにとって住みやすい都市環境とは、障害者の方々や子育て中の若い夫婦ら、あらゆる世代・市民にとっても住みやすい環境」であるべきだと思っています。もっと言えば、一定の年齢層を指す「エイジ(age)」というよりは進行形「ing」をつけた「エイジング(aging)」。つまり「年を重ねること」を大切にする街というイメージかな。人が年を重ねていく中で、各世代が生き生き暮らせる街であれば、と思います。

気になることが一つ。イキイキと外に出て活動する女性シニアが増えているのに比べ、われら男性シニアは「出無精」傾向?が強いような気がしています。退職後、会社人間だった男性が、いきなりなじみの薄かった交流イベントや地域活動に参加するということは、とてもとても高い壁です。

厚生労働省によると、男性が81.41歳、女性が87.45歳(令和元年)。「余生」と呼ぶには、退職後の人生は長く続きます。

「お父さん、出番ですよ」。そんな声で、誰か背中を押してくれないかなあ、と思っている男性シニアは少なくないように思います。「ちょっと押してくれれば動いてもいいんだけど…」という感じかな。

これまで、どうも「空回り」ばかりしていたような(似非)「アクティブシニア」の私でしたが、「一緒に目指しましょう」という山口さんの言葉に、あらためて背中を押されたような気がします。「すべての年代に優しい街・秋田市」。そのために自分でもできることを探していきたい、と思います。

躊躇しているエイジング、『いぶし銀』のような男性シニアの皆さん。「いよいよ出番ですよ!!」