株式会社ALL-A

【商品開発】「大判焼きの会②」 会員の熱き挑戦、いざ実践へ 

前回コラムでALL-A主催「大判焼き 食べ比べ会」が開かれたことを紹介しました。

この会はそもそもALL-A会員の中から「食べ物系の企画をしてほしい」「みんなで茶話会できる場を」との声が寄せられたことがきっかけだったんですが…

「大判焼き」って魅力があるんですね。茶飲み話が進化して「大判焼きの魅力、新しいスイーツとするための方向性」、「秋田ならではの大判焼き。他の大判焼きと差異化する仕掛け」という話まで盛り上がったんです。

そこで今回、「まずは試しに、大判焼きを作ってみよう」ということになりました。何事も実践が大切。たくさんの議論よりも、まずは自分たちが作ってみて「大判焼き」のリアルに触れようというわけ。

場所は秋田市中央公民館「センタース」。6月下旬、「大判焼き」大好きなALL-A会員6人が集合しました。 シンプルな形状の「大判焼き」。でも、ただの懐かしスイーツと侮るなかれ、そこには深遠なる「粉と餡(あん)」の世界が広がっていたんです。

今回の試作では、ALL-Aのスタッフが手軽な「パンケーキ焼きプレート」を用意。「センタース」調理室の最新IHヒーターを使うことにしました。まずはこの「お手軽セット」で、生地と餡の組み合わせや火加減の感覚を掴もうという狙いです。

もちろん、最終的には本格的な「大判焼き機」と、家庭用とは比べ物にならない火力のプロパンガスヒーターを使うのですが、今回はその前哨戦になります。

参加者は3つのグループに分かれ、お昼を挟んで午前中の2時間ほど、限られた時間の中での集中実践。各グループとも、これまで培ってきた料理経験と知識を総動員し、他のグループの動きもちょっぴり気にしながら取り組みます。何事も「競い合う」ことは大切ですからね。

各グループそれぞれ様々な「生地と餡」のマッチングをテスト。米粉、ホットケーキ用の粉。さらにたい焼き・大判焼き専用粉。そして餡子も…こしあん、つぶあん、そして変化球の「発酵あずきあん」。まるで錬金術師、科学者のように、未知なる配合に挑む。まさにこれこそ「リビング・ラボ(暮らしの実験室)」。

プレートに注ぐ生地が多すぎたのか、餡子を包む「皮」が想定外の厚みに…理想の皮を求めて頭を悩ませる参加者たちでしたが、餡子の量もまたさらなる難題。少なすぎれば寂しく、多すぎればはみ出てしまう。この絶妙なバランス感覚こそが、大判焼き職人の真骨頂なんでしょうね。やっぱり、実際に作ってみることで見えてくるリアルもあるんです。

いくつかの試作品が焼き上がると、いざ試食タイム。試食ではそれぞれの「大判焼き哲学」が再びぶつかり合いました。「この生地はもう少しサクサク感が欲しい」「いや、もっちりも捨てがたいよ」とか、「やっぱり餡子はつぶあん!」「いやいや、こしあんでしょ」などそれぞれのこだわりも。

失敗を糧に、一歩ずつ理想の大判焼きに近づいていく(たぶん…)。「大判焼き愛」にignited(着火)された全員たちの熱く燃える挑戦はさらに続きます。

記事:ALL-Aシニアアドバイザー・元魁新報記者:西村修